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日本国の新『国家安保戦略』|第三次世界大戦


【軍事報道】 岸田内閣は、令和四年十二月十六日に新たな『国家安保戦略』「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の三文書を閣議決定(既報)。日本国は第三次世界大戦に備え、防衛力を強化していく。


先ずは英・地政学者コリン・グレイ(癸未)の『戦略の階層』を俯瞰する。以下の七階層に分かれる。


  1. 世界観

  2. 政策

  3. 大戦略

  4. 軍事戦略

  5. 作戦

  6. 戦術

  7. 技術


今回の新たな国家安保戦略は三「大戦略」に位置する。日本国の安保上、最上位の政策文書である。本戦略は、概ね十年間を念頭とす。




<日本国の国益>

 以下が護るべき日本国の国益。


  1. 主権と独立:維持、領域保全。国民の生命・身体・財産の安全の確保。日本国の平和と安全。豊かな文化と伝統を継承。世界で尊敬され、好意的に受け入れられる国家・国民

  2. 経済成長(=軍事力):更なる繁栄を主体的に実現。開かれ安定した国際経済秩序を維持・強化。他国と共存共栄できる国際的な環境を実現

  3. 国際秩序:自由、民主主義、基本的人権、法の支配等の普遍的価値や国際法に基づく国際秩序を擁護。特にインド太平洋地域で自由で開かれた国際秩序を維持・発展



以下が、日本国の国家安保に関する原則。


  1. 積極的な平和主義;国際協調を旨とする積極的平和主義を維持。日本国を守る第一義的な責任は日本国に在る。変化する安保環境を直視し、必要な改革を遂行。日本国自身の安保上の能力と役割を強化

  2. 普遍的価値;普遍的価値を維持・擁護する形で、安保政策を遂行。世界的に最も成熟し安定した先進民主主義国の一つとして、普遍的価値の維持・擁護を各国と協力する形で実現。国際社会が目指すべき範を示す

  3. 平和国家;専守防衛、非核三原則の堅持等の基本方針は不変。日米同盟は我が国の安保政策の基軸。日本国と他国との共存共栄、同志国との連携、多国間の協力を重視



日本国を取り巻く安保環境と国家安保上の課題は、以下の二つ。


  1. グローバルな安保環境と課題;共通の課題対応で国際社会が団結し難い

  2. インド太平洋地域の安保環境と課題;中国・北朝鮮・ロシアの安保上の動向




日本国の戦略目標

 以下が、日本国の国家安保上の目標。


  1. 軍事力:日本国の主権と独立、国内・外交に関する政策を自主的に決定できる国で在り続ける。領域、国民の生命・身体・財産を守る。有事等の発生を抑止。万一、脅威が及ぶ場合も、これを排除し、且つ被害を最小化させつつ、有利な形で終結

  2. 経済力:日本国経済が成長できる国際環境を安保政策を通じて主体的に確保。安保と経済成長の好循環の実現。日本国の経済の自律性・優位性・不可欠性を確保

  3. 国際秩序:国際関係に於ける新たな均衡を、特にインド太平洋地域において実現。一方的な現状変更を容易に行い得る状況の出現を防ぎ、安定的で予見可能性が高く、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を強化

  4. 平和実現:多国間の協力の分野において国際社会が共存共栄できる環境を実現



以下が日本国が優先する戦略的なアプローチ。


  1. 外交を中心とした取組みの展開;同盟国・同志国等との連携の強化等

  2. 日本国の防衛体制の強化;反撃能力の保有等

  3. 米国との安保協力の深化

  4. 日本国を全方位でシームレスに護る為の取組みの強化;サイバ・海洋・宇宙安保等

  5. 経済安保政策の促進;自律性・優位性・不可欠性の確保等

  6. 国際経済秩序(自由・公正・公平なルール)の維持・強化;透明・公正な開発金融の推進等。

  7. 国際社会が共存共栄する為のグローバルな取組み




<日本国の三つの基盤>

 以下は、日本国の国家安保を支える為に強化するべき国内基盤。


  1. 経済財政基盤の強化;安保と経済成長の好循環の実現。有事の際の持続的な対応能力を確保。経済・金融・財政の基盤強化

  2. 社会的基盤の強化;平素からの臣民の安保に関する理解と協力。諸外国やその国民に対する敬意を表す。日本国と郷土を愛する心。平和と安全の為に危険を顧みず、職務に従事する者の活動が社会で適切に評価される取組み

  3. 知的基盤の強化;安保分野に於ける政府と企業・学術界との実践的な連携の強化、効果的な国内外での発信等



本戦略の結語は勇ましい。

 国際社会が対立する分野では、総合的な国力により安保を確保。国際社会が協力すべき分野では、諸課題の解決に向け、主導的且つ建設的な役割を果たし続ける。 この様な行動は、日本国の国際的な存在感と信頼を更に高め、同志国等を増やし、日本国を取巻く安保環境を改善する事に繋がる。


然しながら、日本国の経済力は世界第三位であるにも関わらず、軍事力は世界第五位(Global Firepower 2022)に甘んじている。中国とのGDP差は三倍。軍事力で中国は世界第三位、ロシアが世界第二位




希望の世界か、困難と不信の世界か

 現状の日本国の経済力と軍事力で自己と家族を守れる訳が無い。軍事力を高める為に、経済力を中国(一千八百兆円)まで引上げる事は絶対条件だ。これは臣民の所得が三倍になる事を意味する。依って、令和時代の『高度経済成長』が必要となる。


今までの中堅・シニアの現実逃避(軍事無関心)が、如何に甚だしいかが分かるだろう。


そこで本戦略の結語に「希望の世界か、困難と不信の世界かの分岐点に立ち、戦後最も厳しく複雑な安保環境の下にあっても、安定した民主主義、確立した法の支配、成熟した経済、豊かな文化を擁する日本国は、普遍的価値に基づく政策を掲げ、国際秩序の強化に向けた取組みを確固たる覚悟を持って主導していく。」と、岸田内閣は世界平和への大志を抱く。



若者・若手が中堅・シニアの様に軍事無関心を貫けば、更なる増税や中国による日本支配、子や孫の生涯奴隷化の現実味が高まる。


 

記事:金剛正臣 画像:地政学を英国で学んだ

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