top of page

若者若手が知るべき『スタートアップ育成五ヶ年計画』の全容決定|第十三回「新しい資本主義実現会議」


【政治・ビジネス報道】 岸田総理(丁酉)は、令和四年十一月二十八日に総理大臣官邸にて第十三回『新しい資本主義実現会議』を開催。「スタートアップ(S)育成五ヶ年計画(全二十五頁)」及び「資産所得倍増プラン」の取り纏めを受け、議論を行った。


岸田内閣は本年を「S創出元年」とし、戦後の創業期に次ぐ、第二の創業ブームを実現したい。その為に、Sの起業加速と既存大企業によるオープンイノベ推進を通じ、日本にSを生み育てる生態系を創出する。


本計画の大目標は、五年後の令和九年度で現在の十倍超(十兆円)規模。ユニコーン(時価総額=一千億円超の未上場企業)を百社、Sを十万社創出したい。狙うはアジア最大のSハブ。


以下が大きな三本柱。

  1. S創出に向けた人材・ネットワークの構築

  2. Sの為の資金供給の強化と出口戦略の多様化

  3. オープンイノベの推進


次世代の産業の核と成り得る新産業分野の「ディープテック」は、重点分野等を明確化する。併せて、農業や医療等のディープテックの個別分野に特化した起業家教育・S創出支援に関する取組みの強化を図る。「税制措置」は、今後の税制改正過程において検討する。


 

<第一の柱>



  1. 十代・二十代の若い時期から、Sの起業を志す人材の育成を進めていく必要性

  2. 大学におけるS創出支援の改善

  3. 起業家サポートの枠組みを充実

  4. メンタ支援の機会確保の必要性



メンタによる支援事業の拡大・横展開

  • 未踏事業/情報処理推進機構」;対象を高専生・高校生・大学生へ拡大。全体で育成規模を「七十人/年」⇒「五百人/年」へ

  • メンタ育成主体;「日本医療研究開発機構(AMED)」「科学技術振興機構(JST)」「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」「農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)」等への拡大を検討

  • その他;「異能Vationプログラム」の支援連携、海外トップ人材の発掘、日本への呼び込みの強化、「グローバル・S・アクセラレーションプログラム」の拡充



海外における起業家育成の拠点の創設(「出島」事業)

  • 米シリコンバレーへの派遣事業;一千人/五年へ拡大(学生や女性起業家を含む)

  • 「日本のビジネス拠点」;シリコンバレーと米ボストンに新設

  • 世界各地でのインターン研修等を追加


アントレプレナ教育の強化(米国大学の日本向け起業家育成プログラムの創設等を含む)

  • 国内で就労しながら、学位取得できる環境整備を図る


一大学一イグジット運動

全国各地の研究大学が「一大学につき五十社起業し、一社はイグジットを目指そう」という運動の展開




大学・小中高生でのS創出に向けた支援

  • 大学発の研究成果の事業化支援;Sエコシステム拠点都市(八都市)を中心に、海外のアクセラレータやVCの参加を得て五千件以上/五年(グローバル展開を含む)

  • 基金;「科学技術振興機構(JST)」に、現在比で十倍の一千億円/五年

  • クロスアポイントメント制度」の導入促進;研究者等が「企業」と「大学・高専」双方で雇用契約を締結

  • 大学インキュベーション施設の整備;大学や「国立研究所(産業技術総合研究所等)」の技術シーズと大企業の経営人材のマッチング

  • 小中高生向け起業家教育;「支援プログラム(起業家が講師)」の新設や「総合的学習」等の授業時間も活用

  • エリート向け教育機会の支援強化;起業家教育に体系的に取組む「高校・高専」やSTEAM分野で高い能力を有する「小中高生」へ

  • 留学支援の拡充


高専の起業家教育の強化

  • 積極的なアントレプレナシップ教育;高専間の連携

  • 試作スペース等の環境整備


グローバルSキャンパス構想

  • 海外トップ大学の誘致や優秀な研究者の招聘。ディープテック分野の「国際共同研究」と「インキュベ機能」を兼備

  • キャンパスの施設・設備の完成を待たず、先行実施

  • 博士課程学生や若手研究者の育成

  • 海外生態系やグローバル「インナサークル」へのアクセス可

  • 国内外企業とも連携

  • 司令塔;S担当大臣




S・大学の知財戦略

  • Sの株式・新株予約権を活用し易い環境整備の検討;大学と企業の共有特許に係る「通常実施権」等の取扱いルールの見直し、株式・新株予約権を対価に大学から知財権を取得する場合の大学側の制限撤廃。本年度内に「大学知財ガバナンス ガイドライン」。大学による海外への特許出願支援強化

  • 第三者ライセンス契約(譲渡・許諾)の特許を登録した「開放特許情報DB」;DB充実と官民連携の強化(データの民間移転を含む)。保有特許の第三者への利用許諾へのインセンティブの在り方も検討


研究分野の担い手の拡大

  • 国際共同研究支援(研究費「国際先導研究」);全体経費に占める若手研究者の費用の割合=七割が原則

  • 十兆円規模「大学ファンド」を通じた支援

  • 「生活費相当額」を支給する博士課程の学生数;令和九年度までに、従来の三倍(博士進学者の約七割)へ増加

  • 公務員)博士号取得者への「給与等級等の加算」導入;令和五年度から。名刺への博士号記載を推奨。民間も博士号活用の意識改革を促す



海外起業家・投資家の誘致拡大

  • Sビザ;国認定のVCやアクセラレータ等も手続き可へ。最長在留期間の延長

  • 海外のエンジェル投資家;「在留資格」付与の円滑化、銀行口座開設の手続きの円滑化

  • 外国人子女;大学入学資格の円滑付与、行政機関・医療施設の多言語対応・オンライン化等


再チャレンジ支援の環境整備

雇用保険;起業家は最長三年まで、受給期間に不算入(創設済み)


国内の起業家コミュニティの形成促進

  • 規制改革や「J-Startup」制度の拡充、インキュベ施設の整備等

  • 大学支援フォーラム「PEAKS」等を活用


 

<第二の柱>



  1. VCへの「公的資本(有限責任投資)」による投資拡大(海外VCを含む)。VC協調の政府によるS支援の拡大等

  2. ストックオプション」の環境整備や「公共調達」の拡大等



「中小機構」のVCへの出資機能の強化

  • 二百億円の出資機能の強化;新たに内外VCへ「有限責任投資」を行う事も念頭

  • 若手キャピタリストのVC限定;出資枠の創設等の国内VCの育成支援

  • 債務保証」の上限額の見直し等(ディープテック→S)


「産業革新投資機構(JIC)」の出資機能の強化

  • 新たに二千四百億円程度の投資規模となる「ファンド立上げ」;令和六年目途で法案提出。運用期限を同三十二年まで延長


「官民ファンド」等の出資機能の強化

  • 海外拠点機能と海外VC;「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」や「日本貿易振興機構(JETRO)」と連携。民間金融機関等の「ゲートキーパー(アドバイザ)」からの連携・協力

  • 一元的な窓口;政府系S支援機関同士の連携。統一的な情報発信の強化

  • 日本政策投資銀行(DBJ);特定投資業務の更なる活用



「NEDO」によるR&D型Sへの支援策強化

  • 一千億円/五年の新基金;補助上限の拡大、支援メニューの拡大、海外VC、手続き簡素化


「日本医療研究開発機構(AMED)」による創薬ベンチャへの支援強化

  • 三千億円/十年へ基金積み増し;感染症関連以外で、「資金調達が困難な創薬分野」も支援対象


海外の先進生態系との接続強化

  • 世界最先端の生態系と日本の創薬Sの生態系との接続を強化


S投資を促す措置

  • 優遇税制;保有株式を売却し、Sへ再投資する場合

  • エンジェル税制;手続きの簡素化・オンライン化を検討(優遇税制に必要な申請書類の削減等)

  • プラットフォーム普及;エンジェル投資家・S間の情報共有やマッチング

  • 社会的起業家(インパクトS);取扱いに対する措置を検討





個人からVCへの投資促進

  • 税制措置を含めて検討


「ストックオプション(SO)」の環境整備

  • SO税制;権利行使期間の延長

  • 税制適格SO;株券「保管委託義務」を不要化。更なる緩和

  • SOルール;『会社法』の措置の見直し、税制面の対応

  • ガイドライン;「SOプール」の活用や従業員の「退職時SO」の取扱い、「種類株(未上場株)の価格算定ルール」の明確化、「種類株主総会」の特別決議の要件明確化等

  • 信託型SO;実態調査と対応


「事後交付型 譲渡制限付株式(RSU)」の活用に向けた環境整備

  • RSU;一定の在籍期間後に株式を付与される権利。米国で手元資金に乏しいSから従業員への報酬・インセンティブとして活用。取扱いの明確化


「株式投資型CF」の活用に向けた環境整備

  • 発行総額上限;一億円超の資金をプロ投資家から調達可を検討



「SBIR制度」の抜本見直しと「公共調達」の促進

  • B2G;Sからの調達を拡大。契約比率=三㌫以上(三千円億円規模)へ早急拡大

  • S担当大臣による未達成時の是正

  • 各省のR&D関連補助金;拡充。新たに大規模技術開発・実証段階(「フェーズ3」)も支援対象に追加

  • 二千億円/五年の新基金;フィーズ3をバックアップ

  • 幅広い政府調達(公共インフラを含む);J-Startup選定企業等のSを活用

  • 入札参加資格制度」の検討;随意契約に関するルール、国の大規模研究における加点措置等の検討を含む

  • 地方自治体の公共調達;手続きのオンライン化、調達参加要件の見直し、公共調達状況の可視化、「D構想」交付金の採択審査時にSからの調達に加点措置等、「デジタルマーケットプレイス」の早期導入


経営者の個人保証を不要にする制度の見直し

  • 新しい信用保証制度;S創業から五年未満について「個人保証」を徴求しない。「信用保証協会」への損失補償等=百二十億円を措置

  • 日本政策金融公庫(日本公庫);貸付けに、S創業から五年以内について「経営者保証」を求めない。キャッシュフローが不足するSや一時的に財務状況が悪化した中小企業に対する「資本性ローン」を継続。公庫への出資追加等




IPOプロセスの整備

  • 上場審査;「企業価値評価」が難しいディープテックのS等に対応

  • ダイレクト リスティング」の活用;新株を発行せず、既存株のみで上場


「特別買収 目的会社(SPAC)」の検討


未上場株のセカンダリマーケットの整備

  • 金商法』の関係政令を改正;令和五年度中。Sが未上場のまま成長できる様に、プロ投資家向けの「非上場株式」の取扱い可へ

  • 環境整備;(民間)未上場企業の証券等のデータ標準化


「特定投資家 私募制度」の見直し




海外進出を促す為の「出国税」等に関する税制措置

  • 確認・周知;(Sの海外進出)経営者が海外赴任する際、自身のS株を担保として提供しなくても、会社保証で出国可。従業員等も株式を質権設定すれば、株券担保の提供不要


Web3.0に関する環境整備

  • 非課税措置;暗号資産事業を行う法人が発行・保有する暗号資産につき、事業運営の為に継続的に保有する場合、法人税「期末時価評価課税」の対象としない

  • 税制扱いを検討;それ以外の暗号資産

  • 暗号資産に係る会計処理;公認会計士・監査法人による監査を受けられる様に

  • 「投資事業 有限責任組合(LPS)」の投資対象;「セキュリティトークン(有価証券をトークン化)」等を扱う事業も対象と明確化。その他の暗号資産・トークンを扱う事業も投資対象に

  • 「分散型自律組織(DAO)」;便益と課題を早急整理

  • コンテンツビジネス(デジタル技術を用いたアート・ゲーム等)の国際展開;新たなユースケースの発掘・支援



事業成長担保権の創設

  • 新制度の創設;S等が、事業全体を担保に金融機関から成長資金を調達可(早期に国会提出)


個人金融資産・GPIF等の長期運用資金のVC投資への循環

  • 『資産所得倍増プラン』

  • 環境整備;公的機関投資家(GPIF等)が国内ベンチャファンドへ投資

  • 企業年金;スチュワードシップ・コードの受容等


銀行等によるSへの融資促進

  • 周知;十年以内のSへ五㌫超の出資を認める例外措置

  • 環境整備

  • 金融機関によるファンド組成、地域金融機関によるS投資を促進

  • 投機的な「非上場株式」制約の対象外と明確化



社会的起業の生態系の整備とインパクト投資の推進

  • 拠点づくりの促進;国内大学にて「教育プログラム開発」や「ネットワークづくり」等を支援

  • 海外派遣プログラムの推進;社会的起業家を志す若手人材等

  • 新たな法人形態・既存の法人形態の改革の検討;民間で公的役割を担う

  • 「インパクトS」の日本版認証制度の創設の検討;国際認証を踏まえる

  • 公共調達の優遇措置の検討

  • 国から地方自治体へ向けた推奨企業リストへの掲載の検討

  • 自治体とのマッチングの検討

  • 投資に対する支援措置の検討

  • ふるさと納税・企業版ふるさと納税の活用の検討

  • 休眠預金の活用

  • 国・自治体による成果連動型事業の拡大の検討

  • 投資ファンドによる支援の検討


海外Sの呼び込み、国内S海外展開の強化

  • マッチング強化;海外VC・S・起業家と

  • Sに関するグローバルイベントでのネットワーキング等の対応強化。グローバル人材のマッチングや海外の技術実証・共同研究



海外の投資家やVCを呼び込む為の環境整備

  • 「公正価値評価」の導入促進;VCの監査上の留意点や会計処理の実務的な取扱いを明確化

  • LPS;「海外投資比率」の上限撤廃。会計規則を明確化


地方におけるS創出の強化

  • 地方大学によるS支援を強化;国立大学からの地域金融機関が参画する地域ファンドへの出資拡大等

  • 地域金融機関によるスタートアップへの積極支援;中堅・中小企業との人材マッチングの推進等

  • 「次世代サテライトオフィス」の整備支援;Sと支援事業者が集う。起業家コミュニティを活動ベースとできる(地域の大学・金融機関も含む)

  • 「共助型ソーシャルビジネス」;PFI等の活用促進

  • ディープテック実証の場の創設・拡充


福島でのS創出の支援


令和七年「大阪・関西万博」でのS活用


 

<第三の柱>



  1. 既存大企業によるオープンイノベ推進には、S投資が重要



オープンイノベを促す為の税制措置等

  • 税制措置;既存発行株式の取得。Sの成長に資するものに限定

  • 優遇「R&D税制」;Sと連携する場合

  • 事業会社からVCへの投資促進策について検討


公募増資ルールの見直し

  • 一律の資金の充当期限の撤廃等;「日本証券業協会」の自主規制を改正。令和五年度中に施行


事業再構築の為の私的整理法制の整備

  • 私的整理円滑化の法案;「債権者の多数決決議」と「裁判所の認可」により、私的整理(債務整理)可へ




Sへの円滑な労働移動

  • 「労働移動円滑化の為の指針」;令和五年六月までに取り纏め。リスキリングと構造的賃金引上げを含む

  • 副業兼業の促進強化;送出・受入企業を支援。大企業の「出向」による起業支援を強化

  • 専門家による相談や支援を強化;経営・法務・知財等

  • 「知財・無形資産ガバナンス ガイドライン」の見直し;大企業が経営資源(知財・人材等)をSヘ切り出す場合等


組織再編の更なる加速に向けた検討

  • 非課税;スピンオフを行う企業に持分を一部残す場合

  • その他;大胆な事業再編を促進する為の措置


M&Aを促進する為の「国際会計基準」の任意適用の拡大

  • のれん償却費




S生態系の全体像把握の為のデータの収集・整理

  • 国際比較を可能に


公共サービスやインフラに関するデータのオープン化推進

  • ネット上で情報提供


大企業とSのネットワーク強化

  • 指針の周知;Sと事業会社等が連携を行う場合の「秘密保持契約」や「ライセンス契約」等

  • J-Startupや「オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC)」を通じたネットワーク強化


 

画像:総理大臣官邸、スタートアップ育成5か年計画ロードマップ/内閣官房

Comentarios


bottom of page